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Another side of A New Day * 王子の物語 II

  1. 2014/05/25(日) 06:30:25_
  2. A New Day
From far away beyond beautiful ... SEVEN SEAs

美しい海の彼方より  the RUMOR of Merman's A New Day


物語 A New Day 前編より

。・。・。・。・。・。・。 the RUMOR 7 。・。・。・。・。・。・。





_____ 漂うJelly Fishを追いかけて・・・

目の前に広がる光の中に見つけた自分の愛しい人


光の中に自分も吸い込まれて・・・

・・・目を開けるとそこは、川の岸辺  ______________



起き上がり川面のせせらぎに、自分の姿を映して見た

時々視察に訪れるこの地上での姿

二本の足で歩き易い様に、子供の姿の自分がそこに写っていた


_____ 森か ・・・

森の中でさわさわと、歌うように風が樹々の間を通り抜ける風を感じて
久しぶりの地上の空気に、海の香りはしない

拓けた場所に溢れる、光の中

木漏れ日の映し出す水面の輝きが、眩しくて目を瞑っていた


受ける風が心地よくて、海の中ではあまりしない深呼吸

胸の奥までスゥーっと息を吸い込むと・・・

風の中に香る森の香りと、甘い花の芳しい香りが混ざっていると感じる


光に吸い込まれてから・・・

意識が遠のく様で、此処で目覚めた

何を視察に来たのかすら、覚えていない

ただ覚えているのは、眠れないほど胸騒ぎがした事

自分の胸の中が震える様な疼きを感じて、起き上がって外を見た事


今・・・


光の中にいる・・・

そう感じるほど温かいこの空気の中に、そして足元に感じる 温む川の水

目を開けて見詰めた先に、森の樹の間に咲く花を見つけた


あの花を・・・

海の中に持って帰って、キョーコの髪に飾る事ができたら、どんなに綺麗で美しいだろう・・・


そう思った時、窓の外に漂うクラゲを見つけて・・・
離宮の敷地内に、外部者が入ってきたのだと思い、庭に飛び出した・・・んだ・・・


そうだ・・・

その時・・・


キョーコの姿が庭の影に、すっと見えて消えた事を思い出した


キョーコの後を追いかける様に生い茂る海草を分けて、その時見つけた洞窟
庭にこんな穴があったのかと思っていたのは、外部者が入って来ないようにしなければ成らないと言う事と・・・

キョーコはここから、出て行ったのだと云う事

離宮の中しか知らないキョーコが、外の海を一人で泳ぐのは・・・

・・・危険だ _______


自分の国の中には居ない、けれど放浪モノは混ざりこんでいる

その中に、もしも・・・獰猛な、サメや鯨それにシャチなんかが居たら
キョーコの身が危ないと思い、洞窟に手を掛けたんだった

小さい入り口に、キョーコの姿を見つけることは出来なかった

自分もそこに入れるのかといったら、小さすぎて入らない


社は眠っているだろう・・そう思ったから、一人で門を潜りぬけ、東西南北上下、全ての方向を見ていたら、洞窟の方から出てきたクラゲが、上に向って傘を広げて閉じてを繰り返し、
上に上に登っていくのを見つけた

その姿を追いかけて・・・

上を見詰めた時に、眩い光に吸い込まれたのだったと思い出した



_______ キョーコ 


彼女が何処に行ったのか心配で、居ても立っても居られなくなり、走り出した

このせせらぎが海に続く方向なのか・・・

胸騒ぎが収まらなくて当ても無いまま、川を下って行った



その先に大きな岩が突き出ていて、小さな滝の様に成っているのか・・・

ザブザブと、空気と水の混じる音が、川の流れの音と違う事を聞き分けて
その突き出た岩の上から、滝つぼの中に見えるもう一つの大きな岩の上に向けて

高く飛んだ・・・


・・・ 時・・・・・




その岩陰から現れた、ちいさな女の子 _________



飛び降りた岩の上から、懐かしいような面影のその子から目が離せなくなった


( キョーコ・・・?)


こんにちは・・・


( ここで、君は・・・)


   何をしているの・・・





光の中に・・・


目が合って、見詰め合った時に感じた・・・風・・・



風の中に運ばれてきた、森の樹々の香り

香りの中に揺れる、自分の髪・・・



「 こんにちは・・・」


「 何をしているの・・・」



二人・・・同じ言葉に声が重なっていた

お互いに目が離せないまま、お互いの姿を見ていた



「 君、名前は・・・」

自分が見ている小さな女の子は、紛れもなくキョーコだろうと思っていた
自分が子供の頃から毎朝・・・
彼女を見詰めて一日が始まり、その一日を彼女の朝の笑顔を思い返して過ごしてきた

はっきり名前を言えるのか解からなかったけれど、自然に出てしまった事_________

_____ キョーコ・・・

そう言いかけた時・・・うんん・・・と、首をゆっくり横に振って、何かを思い出している彼女の表情に気が付いていた

_____ キョーコ、ちゃん・・・

誰かに地上での名前の呼び方を教わったのか・・・
そう思っていた時に、ひゅっと二人を包む様に森の風が運んできた. . . 甘い花の香り

目を瞑り、その香りを嗅いでいるキョーコを見たら、産まれて初めて香りというものに興味を抱いていると感じていた

二人とも、風の吹いた方に自然と顔が向いていた


「 キョーコちゃん・・・一緒に行ってみる? 」

さっき見た花があった場所に連れて行ってあげたいと思って、手を差し出していた



自分の住む離宮では、この地上の光は・・・届く事の無い場所・・・

蒼い石を握り締めていたその手の中に、感じた事の無い感覚に手を開いて見ていた


光の国は海の中と違って、暖かい・・・
一年中同じ水温の中に育ち、光の国というものは、その暖かさの中で体を動かしていると

・・・体から水の滴が溢れてくる


二人で繋いだ手の中も温かくて・・・

二人の手の中に、同じ様に水の滴が溢れていると感じる程、じんわりとした初めての感覚に戸惑っていた



どうした・・の・・・・


ガサガサ・・っと云う森の中からの音に、その言葉は掻き消されて
二人で同時に今 聞こえた音の方に目を向けていた

甘い歌声を、風が運んできて・・・

その柔らかな甘い歌声に胸がドキンと一瞬、跳ねた

川沿いからは少し離れた茂みの中から、掻き分ける様にして一人の男の子が現れた

ふぁあ~~、帰って寝よ。
今日は、早かったから・・・そんな事を言いながら、川に向かって歩いてくる男の子

あれは確か・・・


アカトキの国の尚王子・・・

彼も今日は視察で地上に出向いていたのかと、思っていた
では、あの向こう側に彼の国では何か重要な事柄が隠れているに違いないとも、思っていた

尚・・・ 
ぼそりと聞こえたキョーコの声に、なんで知っているんだ?と彼女の方に振り返った

握っていた手を離さずに、そっと川辺を離れて森の中に入って行った

しっとりと濡れた少しひんやりとした感覚を体に感じて、二人で歩く森の中
ふわふわと海の中を漂う様に浮かんでいるクラゲを思い出す様に・・・

二人の頭上を、ふわふわと大きな羽で舞う一匹の蝶


「 キョーコちゃん、あれ見て。 」

指を指してその蝶を追いかけて歩き出していると、その蝶が舞い降りたのは甘い香りを放っていた赤い花の上 
風に乾かされて、ふわふわとした柔らかい感じの光景は、水圧の高い海の中では見られない

硬い甲羅で水圧から自分の身を守る、海の中の様子とは違うこの光景・・・

まだ自分は王子として国王の下に限られた国の統治にしか携わっていない
だから、自分の国と成る時には・・・
后を迎えて対になり、一人前の皇族として認められる時で

その時は、この蝶の様に・・・

自由に空中を舞うかの如く、自由に自分の人生を飛び立つ時だと思って答えていた



_____ じゃぁ、貴方は、妖精の王子様なのね。やっぱり。


うん、そう。王子・・・そう答えながらも真相を明かさないのは、この今を彼女の思い出の中で綺麗な夢のようにしてあげたかったから


「 お供が、教えてくれた。 」

そう言って、蝶のとまった花を摘み、その花を彼女の前に差し出した

「 君は、プリンセスなのかな・・・」

何も答えずに、にっこりと微笑むその笑顔は、毎朝彼女が自分に向けてくれる同じ笑顔と違う
この数日・・・自分に向けてくれた笑顔が、少し違うものだとは感じていた

彼女と繋いでいた手を離し、両手でこの大輪の花を包んだ

彼女の顔の前に花を包んだ両手を差し出して、目の前で手をゆっくりと開くと・・・

二人の手で温まっていた自分の手が、この花の香りを膨らませる様にして
二人の間に・・・

甘く高貴な香りが広がって、吹いた風が二人を香りで包んでくれた


_____ この花はね・・・クイーン・ローザ 

この国の王女様の花と言われる・・・


言葉に出して伝えることはしなかった

でも、自分に向けてくれた笑顔が・・・
毎朝、自分の手からの口付けを受けて、閉じた瞼を開ける時と、同じになっていた
君は幸せを感じている時に、自分に向けてくれる笑顔で、それは子供の頃から変わらない

だから・・・

自分が今、心で思ったことが伝わっているのだと感じて嬉しかった


君の髪にこの花を飾ってあげたいと、思っていたさっき・・・

風に揺れる髪を、毎朝と同じ様にそっと撫でて、桜貝の飾りの無い髪に花を飾った


いつか、君が自分と対に成ってくれる時・・・

自分も一人前の皇族となり自国を管理と責任に、命の終わるまで苦労を背負うだろう
でも后と君が成って、いつも横に居てくれたなら

この幸せに満ちた笑顔をいつも向けてくれていたら

自分にも幸せを齎せてくれる事だろうと、願って止まない・・・


「 キョーコちゃん、おいで・・・」

もう一度手を繋ぎ引っ張って歩き出したのは、海の方角
でもそれでも、ゆっくりとこの時間を楽しむ様に、毎晩二人で話をする様に・・・

海の中では決して今まで言わなかった

この地上に視察に訪れた時の、話をしていた . . . _________



髪に飾ったクイーン・ローザの花

その香りに誘われるかのように、彼女の回りをたくさんの大きな羽をもった蝶達が舞い

木漏れ日の照らす、川面の光がきらきらと、流れに沿って輝いていて


この光景に・・・

この川の水が流れ着く先に、自分の国があるのだと・・・

自分の国は、この輝いた光の国の恵みを受けて満たされているのだと感じていた


・・・君の周りを舞う蝶に


_____ 貴方は、たくさんの国民に慕われている、王子様ですね. . .


そう言って、くすぐったそうに浮かべる笑みを見ていると・・・
自分が国王に成った時には、そうなれる様に、そして、王妃と成ってくれる君に

そう思って貰える様に成りたいと思って、何も言わずに微笑んだ __________



もうすぐ浜辺というところで、水の流れが豊かな河を鏡の様にして、花を飾った姿を映している

微笑みと香りに、この時を楽しいと・・・その、海に続く水に映して・・・


海からの風が懐かしさを思わせる、自分の国の香りなのだと気が付いた

光の国の森と花の香りと、海の国の波と潮の香り

二つの国の香りを同時に運んでくれる・・・

風が・・・

髪に挿した花を ふわっと飛ばして、河の流れに落ちて海に流れて行った


繋いでいた手を思わず離し追いかけようとした時に、握っていた蒼い石が河の中に落ちた

けれど、花と違い河の流れに影響する事無く、河の中に沈んで見える


その蒼い石を河の中から拾い上げた

蒼い魚は、河の淡水には元には戻らないのだと思っていた
それと、割れていないか確かめ様と空の光に透かし翳すと・・・

・・・スゥーっと色が光の中に変わって見えた


それには・・・
壊れてしまったら、この魚の命を自分が終わりにしたと、心にきっと何時までも傷となって残りうる

その性格を知っているから・・・

明るく幸せなまま人生を過ごして欲しいと思う

自分のいつも横に居て・・・  ____________




「 ありがとう・・・」




重なった二人の声が、河の音と共に微かに聞こえる波の音に混ざっていた
・・・この時を忘れない


_____ この時が、もう一度・・・

_____ いや、何度でも・・・



二人の間に流れる時が、また来ます様に・・・



河の流れの音にも、海の波の音にも、消されない・・・

・・・二人だけの心の言葉が、お互いの間に聞こえていた様に感じていた




_____  クイーン・ローザ ・・・・

その花の香りで永遠に包み

     その花の香りを胸の中に

     自国の王女となる、我が后として

永遠に共に、明るく幸せなまま過ごして欲しい・・・



どうか、我が愛しい姫を・・・

どうか、我が国民、姫が無事に離宮に辿り着くまで・・・ 

この豊かな地上の恵みの国から流れてくる、森の香りを 花の香りを 風の香りを
蝶の様に、我が国に舞う魚達国民の一人として

姫を最後まで、護り給え ________


海に続く河の中で欠けもせずに居てくれた、強い意志を持ったお供として
自分の願いを託して、この蒼い石に唇を付けていた

自分の強い想いは・・・いつもこうして、毎朝彼女に伝えてきた

自分が共に離宮に戻れるならば、そうしたいのはもちろんの事
でも・・・
彼女は、自分の事を妖精の王子様だと思っているから、彼女の中に楽しい思い出として
そのまま、妖精で今は居たいと思っていた


蒼い石にキスをして、彼女の両手を取り上げてその手の中に石を収め、その上から両手で包み込んで、微笑みかけた


「 無くさない様にね・・・」

彼女の両手を包んだまま、自分の手に唇を付けてゆっくりと目を閉じた


目を閉じたまま、包んでいた両手を自分から離して彼女の手の温もりを感じない様にし


遠ざかる・・・

水の中をゆっくりと歩く音が、河の流れの音と、海の波の音に小さく消されていった



波打ち際に自分も辿り着くと其処には・・・

彼女の歩いた足跡が、砂の上に残っている

でも その足跡は、打ち寄せる波に砂が被さり 海の中に引き込まれる砂となり

二本の足で自分から海に消えて行ったと、薄くなった足跡に感じていた

その波が押し上げて、引いて・・・

河から辿り着いた赤い花を、海の中に一緒に連れて行くように浮いていた



風が吹いて、舞い散る砂が光を浴びて

きらきらと輝くその光景の中に、自分の国に舞い落ちるプランクトンの光を思わせて

自分も離宮に帰らなければ、誰にも言わずして胸騒ぎの感情が起こした勝手な行動を、国王に王子たるものと、咎められては・・・

そう思い、急いで海の中に入って行った



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